良き羊飼い

今日は早起きして映画を観てきました!

『グッドシェパード』
http://www.goodshepherd.jp/

CIAの設立・発展に尽力した実在の人物を基にしたストーリー。
組織と家族という二つの「ファミリー」に挟まれた男の葛藤というのがキャッチコピーのようですが、個人的には単純な公私二元論では割り切れないものが描かれていたように思います。
組織と家族があれかこれかのトレードオフの関係にあるというより、それぞれがお互いを成り立たしめている。主人公の場合、いわゆる幸せな家庭ではなかったかもしれないけれど、妻子や父親の存在がいたからこそCIAでの職務をこなせたのだと思う。
全体としては物悲しく、マット・デイモンの寡黙で憂いを帯びた演技はすごく心に残った。あと、デ・ニーロが監督(出演も)&コッポラが関わってるということで『ゴッドファーザー』を意識せざるをえなかったし、ビシっとスーツを決めた男たちと静かで激しい暴力の数々は近いものがありました。

「わたしは良き羊飼いである。良き羊飼いは羊のために命を捨てる」
アメリカ合衆国という羊のために命をかけたCIAの男たちと、そこに渦巻く策略と裏切り。
静かなで悲しい、そんな映画でした。