最後の小説
入社前の課題本に辟易して、大学生活最後の小説は何にしようか・・・と考えて手に取ったのが『白昼の死角』。友人Rに勧められてAmazonで購入していたんですが、今読まないと意味がないなと思い空き時間に読むことに。
導入は「光クラブ」事件という戦後東大生による手形詐欺事件をモデルにしたもので、主人公は法の盲点を突く天才的知能犯の隅田光一。そして本編では隅田の自殺後、クラブのメンバーの一人鶴岡七郎が「悪の天才」としてのし上がっていく・・・というお話。推理小説の部類に入るのでしょうが、犯人が始めからわかっている古畑任三朗型で、古畑に限らず闇金関係の漫画にもかなり影響を与えたのでは。
手形詐欺の手法もおもしろいですが、登場人物の細かい心理描写が人間くさくて個人的に熱中しました。鶴岡も究極的には隅田の呪縛から逃れられなかったのかなーと思っていましたが、最後のシーンで言い放ったセリフで僕の時間が止まりました。
- 作者: 高木彬光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 文庫
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25日に卒業はしたものの、まだやり残していることが一つあるのでスッキリしません!
ともかく今日は遊び倒してきます。